寿陵(生前墓)とは、生きているうちに自分や家族が入るためのお墓を建てることをいいます。
古来中国で寿陵の歴史が始まり、生前にお墓を建てることが長寿・子孫繁栄・家庭円満を授かる縁起の良いこととされていました。
日本でも聖徳太子が生前墓を建てたと伝えられています。
最近では縁起の為だけではなく、自分で墓地などを選びたいという人も多くいらっしゃいます。
また、お墓や仏壇などは相続税の対象外となっていますので、節税対策にもなることから終活の一環として検討される人も増えています。
実際に寿陵(生前墓)を決めた方に伺うと、様々な理由がありました。
こちらでは、その理由をご紹介しています。
●子どもに負担をかけたくない
お墓の準備をしていない場合、亡くなった後に家族・子どもたちが墓地や墓石を決めなければいけません。
遺品整理や遺産相続の手続きなどをしながらお墓の事も考えないといけないのは、とても大変な労力と費用が必要となります。
そのような、家族・子どもたちの負担を減らすために、生前のうちに自身でしっかりと検討してお墓の準備を始める方が多いようです。
●自分でお墓を選びたい
自分好みのデザインの墓石にしたり、好きな言葉や文字・イラストなどを墓石に彫刻したいという方が増えています。
中には、墓石をピンク御影石や赤御影石で建てたり、自身で書いた筆文字を墓石に刻む方もいらっしゃいます。自分でも使用するお墓だからこそ、自分の思い描いているお墓を作りたいという方が多いようです。
●お墓の場所が大事
自然が好きな方は山々に囲まれ緑豊かな墓地に、海が好きな方は海が見える墓地に、故郷にお墓を作りたいという方など様々いらっしゃいますが、自宅から近い場所や家族がお参りしやすい場所で検討する方が圧倒的に多いようです。
自宅近隣でお墓を検討していても、候補に上がっているその墓地が5年後、10年後でも購入できるとは限りません。
墓地には必ず区画数に限りがあり、区画が無くなれば必然的に購入することはできくなってしまいます。しかも、年数が経つにつれ、人気の区画やお求めやすい区画から完売していきます。
そうならないよう、候補の墓地がある場合は、選択肢の多いうちにお早めのご見学をおすすめいたします。
●石材価格の高騰
近年、石材の価格が一部上がっています。一部というのは主に外国産・中国加工の石材です。
現在お墓に使用されている石材の多くは、外国産もしくは中国加工のものです。日本産の石材と比べ、石材価格と中国の人件費が安い事が理由のようです。それが年々変化しています。
変化の内容としては、「中国での人件費が上がった」「環境問題」「日本の厳格な精度要求」などで石材の価格が上昇してきています。
石材と聞いて一般的なお墓だけと思われる方もいらっしゃいますが、『夫婦墓』『樹木葬のプレート』『納骨堂』などにも中国加工の石材を使うケースが多く見られますので、ご生前墓を検討される方が増えている1つの要因となっています。
●節税対策で生前墓を建てる
お墓は相続税法上、課税対象ではありません。(相続税法12条1項2号)
親が元気なうちにお墓を購入して亡後、子にお墓を相続させる。こうすればお墓は相続税の対象外となるので、購入代金分を節税する事ができます。
2015年より相続税が大幅増税されました。具体的には、相続税がかからない『非課税枠40%も縮小』されましたので、相続税の節税対策でご生前にお墓を購入する方が増えています。
相続放棄をしても、お墓や仏壇は相続可能です。
こちらでは、寿陵(生前墓)に関するよくある質問をご紹介しています。
下記以外に疑問点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
こちらでは寿陵(生前墓)を検討をされる方が増えている理由などご紹介しましたが、寿陵(生前墓)は長寿や子孫繁栄など縁起が良いものというだけではないことがお分かりいただけたと思います。
車や家を買う時、いろいろ比較して自分の納得のいくものを選びますよね。自分も使用するお墓ですから、亡くなってから親族に慌てて準備させてしまうより、体力や経済力に余裕がある時、じっくり墓地の場所や墓石のデザインを考えた方が納得のいく「お墓えらび」ができるはずです。
特に立地の良い墓地は限られており、急に確保するのはとても難しいものです。また遺族の間でも意見が分かれて決まらず、なかなかスムーズに話しが進まないケースも多いようです。
家族・子どもたちに時間的・精神的な負担を減らすのも寿陵(生前墓)のメリットです。
お墓に関する基礎知識をご紹介しています。 |